人類の永遠の友といわれる犬。
彼らは時には癒しを与え、時には心の支えになり、時には人と一緒に仕事をこなす。
今もなお、人類には犬という存在が欠かせない役割を果たしているということができるでしょう。
では、彼らは一体いつから人類のパートナーとなったのでしょうか?
そんな彼らのルーツを探ることで、人類と犬がどのようにしてパートナーとなっていったのか。
なぜ、人類と犬はこれほどまでに支えあうことができるようになったのか、紹介していこうと思います。
犬のルーツ
犬の起源は諸説あるが、現在の有力な説は1万~3万2000年前にオオカミを家畜化したことが始まりのようだ。
家畜化が始まったルーツとしては東アジア南部説と中東ヨーロッパ説があるようだ。
オオカミを家畜化した理由
人類はオオカミを家畜化したのだろうか。
2021年に発表された論文によると、私たちの祖先が余った肉を無駄にするのではなくオオカミに与えることで飼いならされた。
つまり、意図して家畜化したのではなく、「結果的に家畜化された」ようだ。
氷河期時代の生活状況
「結果的に家畜化された」とはどういうことだろうか。
時をさかのぼること、氷河期時代の1万4000年前から2万9000年前。
私たちの祖先は、獲物捕らえ赤身の肉を食べておりましたが、生き残るために必要なカロリーの45%しか摂取できないという厳しい状況でした。
人間の肝臓はタンパク質の代謝にうまく適応していないため、肉を食べすぎるとタンパク質中毒を引き起こす可能性がありました。
植物由来の炭水化物が存在していれば補えたのですが、氷河期では簡単なことではなかったようです。
そのため、私たちの祖先は動物性脂肪や油脂に頼って食事を補っていたが、十分な脂肪を得るために多くの動物を殺してきました。
結果、肉は余り、その肉をもったいない!と思ったかは定かではないが、オオカミに与えたことが始まりのようです。
人類の食べ残しを食べるオオカミの子孫が、最終的に最初の飼いならされた犬となったとのことです。ですが、この始まりがのちに現代まで続く人と犬の関係につながっていきます。
人と犬との共存
当初、人類が犬を利用し始めた目的は狩猟や恐らく運搬のためであったと推測されております。
飼いならされたオオカミはやがて犬となり、いつしか人類の歴史に大きく関わってきます。
ソリを引いたり、羊などの家畜を野生生物から保護したり、他の捕食者から身を守ったり狩りに同行することもありました。
スペイン・バルセロナ近くにある、約6000年前のボビラ・マドゥレイ遺跡からは、人と犬が一緒に埋葬されているのが見つかっており、見つかった証拠からは人と犬とが共に働き、共通の食べ物を分け合っていたことが見て取れるという。
また、古代エジプトでは、紀元前 3500年ごろの壁画には、リードにつないで犬を散歩させている男性が描かれており家畜化以降、人類と犬はこれほどまでに関わってきたことがわかります。
永遠のパートナー
共存するきっかけは単におこぼれをオオカミがもらうだけの関係だったのかもしれません。
しかし、後に狩りや運搬などで活躍し現在でも盲導犬や麻薬捜査犬、時には人々に癒しを与える存在として人々の生活や秩序を保つために日々活躍しております。
人類はこれからも永遠のパートナーとして犬と共存していくでしょう。
refarence:
Our ancestors domesticated dogs by sharing leftover meat during the last Ice Age, new study suggests
https://www.businessinsider.com/dog-domestication-hunters-gave-wolves-leftover-meat-2021-1
イヌとヒトは共に進化した
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/7949/
Dogs in Ancient Egypt
https://www.worldhistory.org/article/1031/dogs-in-ancient-egypt/
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