皆さんはご自身が住まわれるおうちや部屋に、少なからずこだわりや憧れがあるのではないでしょうか。
一人暮らしを始める際も、引っ越す際も、マンションや戸建てを買う場合も少なからずこだわりや憧れはなかったでしょうか。
特に、注文住宅を建てるかたはなおさら。
ですが、そんなこだわりや憧れを一蹴してしまう、日本の住宅を象徴する心無い言葉がネット上にあふれていることも事実です。
日本の住宅はウサギ小屋(のように小さい)と。
海外の大きな豪邸と日本の都心の住宅を並べ、一部の切り抜いた情報が一人歩きしているように感じます。
ですが、本当に世界的にみて日本の住宅は狭いのでしょうか。
今回は、日本や世界の住宅事情を比較し、なぜ日本の住宅がウサギ小屋といわれるのか。
そして世界的にみると日本の住宅は本当に狭いのか、見ていきましょう。
ウサギ小屋っていつから言われ始めた?
日本人はウサギ小屋に住んでいるとはいつから言われ始めたのでしょうか。
時をさかのぼり、1979年EC(欧州共同体)の報告書で初めに言われたとされております。
ですが、そのウサギ小屋という意味は狭い家に住んでいるというわけではないのです。
実は、その報告書はフランス語で書かれており、「ウサギ小屋」という表現が
フランス語では都市型の集合住宅を意味する言葉だったのです。
ウサギ小屋って言われたら、ネガティブなイメージ持ちますよね。
現に、現在では日本の住宅を悪い意味で象徴するような言葉として定着しているのですから。
日本の家は本当にウサギ小屋?
「ウサギ小屋」という表現がもともと悪い表現ではなかったのはわかりましたが、
実際ののところ、日本の住宅は「ウサギ小屋」程度なのでしょうか。
日本の家は本当に小さいかみていきましょう。
まず、基礎知識として、日本の借家、持ち家を含めた住宅の延べ床面積について紹介します。
国土交通省の令和4年度 住宅経済関連データによると、一住宅当たり延べ床面積の都道府県平均は105.45平方mとなっております。
令和4年度 住宅経済関連データ
https://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000002.html
※上は富山県の145.17平方mから、下は東京都の65.90平方mまで、かなりの振れ幅がある。
1坪イコール約3.31平米となるので約2帖となります。
そのため、都道府県平均105.45平方mの場合は約63.75帖となります。
ちなみに、平均の延べ床面積を超えている県は25県(都道府は上位25位に含まれていない。)となり
大都市ほど、延床面積が小さい傾向にある。
海外の住宅事情
次に、海外に目を向けてみましょう。
以下は2022年の国別の住宅サイズを表した図となっております。
How Big is a House? Average House Size by Country – 2023
https://shrinkthatfootprint.com/how-big-is-a-house/
ソース元が海外なので、平方フィートとなっておりますが、ここで注目なのは、
アメリカ、カナダ、オーストラリアは大きいのはおおよそ予測がついてはいたかもしれませんが、
日本の住宅サイズはヨーロッパ諸国とそん色ないくらい大きく、イギリスやスウェーデン、イタリアよりも大きいのです。
また、「ウサギ小屋」と称したフランスと比較しても、フランスの方が大きいが、そこまで特別大きいものではないことがわかる。
平方換算すると以下の通り。
- オーストラリア:214㎡
- アメリカ 201㎡
- カナダ:181㎡
- デンマーク:137㎡
- ギリシャ:126㎡
- フランス:112㎡
- ドイツ:109㎡
- スペイン:97㎡
- 日本:95㎡
- スウェーデン:83㎡
- イタリア:81㎡
- イギリス:76㎡
- 中国:60㎡
- ロシア:57㎡
- 香港:45㎡
国土交通省の令和4年度 住宅経済関連データとの平均は若干ずれはあるが、少なくともフランスとそん色ないほどの大きさではある。
また、一人当たりの床面積の平均家屋面積について表した図は以下となる。
How Big is a House? Average House Size by Country – 2023
https://shrinkthatfootprint.com/how-big-is-a-house/
欧米やオーストアリアには太刀打ちできませんが、案外ヨーロッパ諸国と比べても遜色ないのではないでしょうか。
結果から見えてくること
以上の結果から、決して日本の住宅はウサギ小屋ではないということが分かったのではないでしょうか。
大体話題になるのは、アメリカなどの規格サイズが違う住宅と比較されがちですが世界的に見ても日本の住宅は決して小さくないということです。
また、家に住む、暮らすのはその人のポリシーや重要視するもの、アクセスの利便性など当人にしかわからないことでもあり、各々が満足して住んでいればそれで十分ではないでしょうか。
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