睡眠、それは誰しもが行う人間の本能による行動。
人々は睡眠をとらねば生きていけず、一日の疲れを睡眠をとることで肉体、精神の癒しを得ております。
そんな睡眠時に夢を見ることも多く、脳が今日起こった出来事を整理しているとも言われております。
中には突拍子もない夢を見ることも少なくはないでしょう。
サムネイルのこの男の顔をご存じだろうか。
あなたがオカルト好きであるのならすでに知っているかもしれないが、この男はThis manと呼ばれている。
多くの人々の夢に出てくるとして有名なこの男は一体何者なのか、そして本当にそんなことが起こりえるのだろうか。
今回はそんな「This man」を追っていくことで見えてきた意外な事実を紹介していく。
This manとは
始まりは2006年ごろ、ニューヨークの精神病院にて、夢の中に謎の男が出てくると相談が相次ぎ、
とある患者が似顔絵を描いたところ4人の患者この男を夢で見たことがあると話題になったことが発端とされている。
この男を夢でみたという報告は精神病院だけでなく、「This man.org」という
彼の情報が集められたサイトが立ち上げられたところ世界各国からも情報が寄せられたという。
夢の中では恋人だった、一緒に空を飛んだ夢を見た、恐ろしい夢を見たなど多岐にわたることが判明した。
This manの裏にある真実
このようにThis manは多くの人々の夢に出てくること、夢の中での立ち位置は多岐にわたることが判明した。
では、どうして世界各国でこのような事例が発生しているのだろうか。
何かオカルトめいた謎があるのではないか。とお思いかもしれないが、実はThis manはとある人物が流布した真っ赤な嘘だったのだ。
どうして、このような嘘を流布したのだろうか。
This manとバイラルマーケティング
この嘘の発端となった人物は、イタリアのマーケティングの専門家である、アンドレア・ナテラという人物である。
彼は、マーケティングの一環としてThis manを作り上げ、「バイラル・マーケティング」いわゆる口コミでどの程度効果をもたらすかの大規模な実験を行った。
2008年に「Ever Dreamd This Man?」というサイトを立ち上げ、夢での目撃情報を募るサイトを作成し、現実味を帯びたバックボーンもすべて創作したのだ。
その結果、This manは見事に都市伝説として有名な存在になったわけだ。
実際にThis manの話が広まった時には虚構と疑う声も少なくはなかった。
アメリカの大手掲示板、4chでも、This manはゲリラ・マーケティングではないのかと疑問視する声もあった。
当時、アンドレア・ナテラ自身も自身がフェイク広告の事業を行っていると紹介していたこともあり、疑いは大きくなっていたが確証はなかった。
都市伝説から虚構に代わるまで
事が動いたのは2012年、「Viral ‘K’ Marketing」と題された印刷媒体の記事でナテラは「This man」が虚構であることを認めた。
しかし、ナテラは「This man」が単にマーケティングの一環であることは認めたが、それが何のマーケティングであったかは一切明かさなかった。
一説では「ストレーンジャーズ/戦慄の訪問者」という映画の脚本ブライアン・ベルティノと監督のヨハネス・ロバーツによる同盟の映画の宣伝のためだったという説もある。
そしてこれは事実として、アメリカの映画製作会社であるゴースト・ハウス・ピクチャーズが2010年5月に「Thisman.org」を購入しており
ブライアン・ベルティノを脚本・監督として「This man」を題材とした映画を製作していると公表している。
しかし、映画の広報どころか映画の撮影状況については現段階で音沙汰のない状況である。
それでも支持される都市伝説
This manは一人の男が作り上げた虚構だったのにも関わらず、今もなお支持され続けている都市伝説である。
自分も見たかもしれない。と人々の深層心理をうまく利用した手法や、This manの似顔絵のミステリアスな雰囲気も相まってこれほどまで有名になったものと考えられる。
まったくの虚構なのだから、夢に出てくるわけがないですし、これでこのお話はおしまい。と思っている方もいるかもしれませんが、最後に一つ。
真相が判明してもなお、夢での目撃情報が後を絶たないということ。
今夜、あなたの夢にもThis manが現れるかもしれません。
refarence:
EVER DREAM THIS MAN?
https://www.thisman.org/history/
“This Man” Dream Viral to Become Feature Film
https://movieviral.com/2010/05/06/this-man-dream-viral-to-become-feature-film/
Viral-K-Marketing-eng
https://web.archive.org/web/20190504014012/http://www.kook.it/wp-content/uploads/2012/12/Viral-K-Marketing-eng.pdf
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